それは私が団地に住んでいた子供のころのこと。
昭和46年~47年頃でしょうか。
当時、私たち家族は、小さな4階建ての団地の2階の部屋に住んでいました。
母が冷蔵庫と合体
マンションでもなくアパートでもありません。団地です。
ベランダ付きの2DK、いや、2Kくらいだったでしょうか。
その団地に、両親と小2の私、私より6歳年上の兄の4人で暮らしていました。
当時、母は30代の団地妻。(笑)
今思うと、よくあの狭いところに家族4人で住んでいられたなあ・・・と思います。
2〜3年しかその団地には住んでいなかったのですけれど。
そんな小学2年生の夏の出来事です。
とても暑かったその日、たしか夏休みの登校日だったと思います。
お昼前頃に学校は終わり、私は下校しました。
家にはお昼ご飯の準備をして母が待ってくれている。。はずでした。
赤いランドセルを背負った私は、団地の階段を上がり
2階の一番東側の我が家のドアを開けました。
小2の私にとっては、鉄製の重いドアです。
でも元気よく「ただいま~!」
と言ってドアを開け、部屋に入ると、、
母が、、なんと、、、
冷蔵庫とつながっていたのです。
1ドアタイプの冷蔵庫
は?
と、思ったそこのあなた・・・
説明しましょう。
狭い間取りの団地なので、ドアを開ければそこはもう、すぐにキッチンです。
キッチンには冷蔵庫が設置してあります。・・・普通ですね。
キッチンに設置してある冷蔵庫と母が一体化。…普通じゃありませんね。
当時の我が家の冷蔵庫は、冷凍室と冷蔵室が分離されてない
1ドアタイプのものでした。
描いてみた。ぷ。
冷蔵庫のドアを開けると、冷蔵室の上のほうに冷凍室があり
冷凍室のフタとかはなく、でもちゃんとそこで氷が作れたりするんですよ。
でも、その冷凍室は非常に危険なのです。
濡れた手で触ると、ピタッとくっついちゃうの。
そう。母はこの冷凍室に濡れた手で触ってしまい、
手がくっついて、動けなくなっていたのです。
冷蔵庫の前で中腰の母が、私を見るなり絶叫。
「はちこーーー!みみ水ーーーー!」
「ふ、ふきん取ってーーーー!」
顔面蒼白です。
私は水道水で濡らした台ふきんを絞って母に渡そうと・・・
「絞るなああああ そのままでいいからあー」
鬼の形相・・・
びちゃびちゃだらだらのふきんを母に渡し、母はそれを冷凍庫と手の接着部分にあててみましたが、簡単には離れません。
何度も何度も繰り返しびちゃびちゃのふきんを渡し・・・
私はびちゃびちゃのふきんやタオルを持って、水道と母の間を行ったり来たり。。
最後は無理やりはがしてしまい、母の手はひどい火傷したみたいになってしまいました。
床は水びたし。。
あの真夏の恐ろしい光景は今も忘れられないのです。。。
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