バブル時代のクリスマス その1

本当にあった昭和の話

1988年、昭和63年ころのお話です。

ときはバブル景気真っ盛り。

私は24歳。

クリスマスイブの夜のことです。

当時お付き合いをさせていただいていた彼とホテルディナーに行きました。

今日はクリスマス

バブル景気のころは、クリスマスといえばホテルディナーを予約して

おしゃれをして出かけ(普段は漬物とウインナーばかり食べていたとしても)

クリスマスイブの夜は二人で、フランス料理をいただくのが

当時の恋人たちのステータスでした。

今思うと、こっぱずかしいです。(笑)

クリスマスが近づくと、北関東の田舎でさえ、県庁所在地(田舎なりの都会)の

ホテル最上階のレストランの予約争奪戦でしたから。

平和でいい時代でしたね。本当に。

そんな中、私もそれなりに精一杯おしゃれをして

肩パット入りのワンピースにスカーフをして

履き慣れない高いヒールの靴を履き、デートに向かいました。

もちろん彼もスーツにネクタイをしています。

私の現在の日常では考えられません。

スーツとか、ヒールとか、冠婚葬祭以外ではあり得ません。ぷ。

ホテル最上階のレストラン

レストランの入り口には大きなクリスマスツリーが飾られ

照明はやや薄暗く、テーブルにはキャンドルが置かれています。

店内に流れている音楽は、「ホワイトクリスマス」

皆さんよく知っているあの男性の低音ボイスでゆったりと歌う

♪おわ〜いどり〜みん おばわ〜〜いクリスマス♪

てやつです。笑


ホワイト クリスマス (SHM-CD)(特典:なし)

田舎とはいえ、県庁所在地である市内の8階建ての最上階です。

都会っぽい夜景も綺麗です。

都会じゃないけど。

私たちは黒服のウェイターさんに案内され、

窓際の都会っぽい夜景がよく見える席に座りました。

他のテーブルを見ると、若いカップルばかり。

皆さんロマンチックな夜を楽しんでいるようです。
 
さて、着席した私たちは、まずは飲み物を注文しないといけません。

飲めない人にお酒を強要するのはマナーとしてNGですが、

当時の彼は、人類皆酒飲みである

と信じて疑わない頑固な人でした。

なので、当然のようにワインを注文しました。

実は私はあまりお酒が得意ではないことを

自分ではわかっておりましたが、というか下戸です。

普段から一滴のアルコールも口にしません。

でもせっかくの彼の提案を断ることもできず、

「あまり飲めないよ。」と言いつつも承諾しました。

下戸には危険な赤ワイン

そして注文したワインがきました。

グラスワインかと思ったら、ボトルがきました。

彼はボトルを頼んだのです。げ。
 
彼はお酒が飲めますから、まあいいのですけど(と言ってもビールだけ)

ボトル一本って、、、

奮発したつもりなんでしょうけれど、誰がそんなに飲むの??

「浮かれるにも程があるでしょ。」という気持ちはぐっと押さえましたよ。

だって今日は楽しいクリスマス

この素敵な雰囲気をぶち壊してはいけません。

私たちの目の前でボトルをあけるウェイターさん

グラスにちょびっと注ぎ、彼が飲みます。

テイスティングというやつですね。

ウェイターさんが「よろしいでしょうか?」って言うけど、

嫌です。って言ったら替えてくれるの?開けちゃってるのに?

なになに?どゆこと?

と、無知で教養のない私は思っていました。

注:ワインのテイスティングの目的は、好みの味かどうかを確認することではありません。

ワインが腐敗していないかどうか形式的に確認するのが目的です。

彼もテイスティングのシステムをよく理解していなかったようで

キョロキョロしながら、はい。って言ってました。

普段ビールしか飲まないし、興味もないんだから

良いも悪いもわかるわけがないのです。

人類皆酒飲みではない

さて、前菜のサラダ、スープ、パンなどが運ばれ

雰囲気もよく、会話もはずみ、食事もすすみましたが

私はあまり飲めませんので

ワインはまだ半分以上残っています。

彼が、遠慮しないで飲みなよ。と、しつこく私のグラスに注ぎます。

でも、そもそも下戸なんです。

いくら注がれても、なかなか喉を通りません。

酔いも回ってきたせいか、

彼は、ワインがすすまない私に対して苛立ってきました。

なぜ今日みたいなときに遠慮するんだ?

俺一人でこんなにたくさん飲めるわけがないだろう?

なぜ飲まないんだ?

いやいや、遠慮じゃなくて

私がそもそもお酒が苦手なの知ってるくせに

勝手にボトルワインを注文したのはあなたです。

多分そのようなことを何度も言ったと思います。

でも、何を言っても話が通じないのです。

なぜなら、彼は人類皆酒飲みである

と信じて疑わないからです。

彼の機嫌がどんどん悪くなりました。

せっかくのクリスマスが台無しになってしまいます。

もう、覚悟を決めるしかありません。

私は、、、

わかった。どうなっても知らないよ。

飲めばいいんでしょ?飲めば。

半ばヤケクソです。

がばっとグラスを一気に飲みました。

ええい。知るもんか。

彼は、上機嫌になりました。

私が豪快に飲み始めて、愉快になったようです。

当時、結婚を前提にすでに何年もお付き合いしていましたので

飲ませてどうこうとか、そういった目的ではなく

彼はただ、私のために楽しいクリスマスを演出したかったんだと思います。

でも、やっぱり下戸の人に無理やり飲ませてはいけません。

メインの肉料理が運ばれてきた時に、私は壊れはじめたのです。

バブル時代のクリスマス その2へ続く

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