若い頃は綺麗好きだった母も
70歳を超えたあたりから
だんだんと片付けができなくなっていきました。
87歳の現在は、全く掃除片付けはできません。
ごみ屋敷になる前に
今から15年くらい前でしょうか。
ひと部屋を着ない服でいっぱいにしてしまったので
私は母の知らないうちに、こっそり片付けることにしました。
勝手にやったことが知れると、怒られるのはわかっていましたが
もう放っておけない状況でした。
このままでは、家がごみ屋敷になってしまいます。
コンセント付近にほこりが溜まって、火事になってしまうかもしれません。
せめて床が見えるくらいには整頓しないと。
母が出かけていない日に決行です。
いるときにはできませんので。
異次元の部屋
その部屋はもう何年も開かずの間になっていました。
勇気を持って開けてみると
足の踏み場もなく
わかってはいましたが・・・
すごいことになっていました。
洋服、バッグ、紙類、布団、紙袋、タオル
謎の置物、謎の花瓶、謎の紐類・・・
スカーフだけで何百枚。首は一つなのに。
キングギドラだってこんなにスカーフいらないわ。
いったい誰が着るんだろう?という子供服やら
誰も着られない7号サイズのワンピースやら
劣化してボロボロになっている和服やら
出てくる出てくる。
今でも不思議でならないのは
ホコリかぶった枯葉と小枝が丸く置いてあり
まるで鳥か何かがそこから巣立っていったような跡。
土のような砂ぼこりもあり
はじめは、ネズミ?と思ったのですが
フンがどこにもないのです。
においもない。
もしそこに、どこからか家に入り込んだ
生き物が住んでいたとしたら
必ずフンが落ちているはずなんですが
…ないのです。
トイレは外で済ませるお行儀のいい鳥?
ないないないないない。
あれはいったいなんだったのでしょうか???
今だ不明です。
45Lx25袋
とにかく、もう二度と着ないであろう洋服と
汚れたり、壊れたりしているバッグ
意味不明のガラクタ
仕分けして、ゴミ袋に入れたらなんと
45Lのゴミ袋が、25個になりました。
これを母が帰宅する前に隠さないといけません。
翌日が燃えるゴミの日だったので出せるものだけは
車に詰め込み、出せないものは2階の押し入れに隠しました。
大変な作業でした。
日当2万円くらいもらいたいです。
衣装ケースやちょっとしたケースを何個か買ってきて
残したものを綺麗に整理整頓して収納までしました。
そして念願の掃除機をかけて終了。
ケース代も入れたら3万円請求したいくらいですね。
見覚えのあるワンピース
母には、何も捨ててないよ。と嘘をつきました。
ケースにしまっただけだよと。
母はちょっと疑っていましたが
部屋が綺麗になったことは喜んでくれました。
25袋も処分したのに、あまりよくわかってないようで
何を保管していたか内容はあまり把握していなかったということです。
その後、何年もたってからのことです。
古いアルバムを見ていたとき
私は見つけてしまったのです。
あの、誰も着られない7号サイズのワンピースを着た
母が写っている写真を。
そしてその写真は、母にとって人生の一大転機の重要な日の写真だったのです。
母の着ているワンピース、まさしくこれを私は処分しました。
40年近く保管していたであろうこの服を
あっさりと私は捨ててしまったのです。
なんとも複雑な気持ち。
どんな日の写真だったのか。次の記事でお話します→母の一大転機
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