今日は最近の出来事をお話します。
86歳のS子さん
私の自宅近所に、S子さんという86歳のおばあちゃんが住んでいます。
S子さんは独り暮らしで、おばあちゃんといえども、とてもパワフルです。
毎朝ラジオ体操に参加し、接骨院の通院、無料の電気治療(ちょっと怪しげ)に通い
地域のさまざまな活動に参加し、カラオケに行き、畑仕事もする
昼間はほぼ家にいない人です。最近ガラケーからスマホに変えました。
86歳ですよ。Σ(゚Д゚)
うちの母はガラケーも使えません。
そんなS子さんは、母の友人でもあります。
引きこもりがちの母を旅行に誘ってくれたり
何かと気にかけてくれています。
本当にいつもお世話になっている方なのです。
耳がマヒする爆音
そのS子さんから、数日前の夕飯どきに電話がかかってきたのです。
家の電話にです。
受話器をとると、いきなり爆音で
ビービービービービー・・・・
思わず受話器を耳から遠ざけます。
するとS子さんの声が・・・
「聞こえるー?聞こえるー?電話壊れっちゃったのー」
「え?スマホ?」
「ちがーよ。家の電話だよう。急に鳴りだしてとまんないのーこの音ー!」
「線ぬくとか、とりあえず、、、」
「何やっても抜いても押してもどうにもなんないんだよう!助けとこれよー!」
「わかったー今行くー」
普段お世話になっているS子さんが助けを求めています。
夕飯の途中でしたが、ご飯食べてる場合じゃありません。
ホッケの塩焼きを半身残して
私はすぐに走ってS子さんの家に行きました。
走れば2分くらいで着く距離です。
玄関入る前から、あのビービー音が聞こえます。
火災報知機?いやなんか違う。でもすごい音。
耳栓してくればよかったと後悔するほどです。
S子さんは、ひとりでおろおろしてました。
「どうにもなんないんだよう。この音、なんとかしとこれよう。」
ご高齢の一人暮らしですから、かたずけるのもままならないのでしょう。
家の中はモノであふれ、足の踏み場もありませんでした。
でも私は躊躇せずまっすぐに電話機に向かいます。
まず、電話の線を抜いてみます。
鳴りやみません。
もう一度よく見て、電話機から伸びている線をたどって、今度は壁のところで抜いてみます。
鳴りやみません。
(。・ω・)ん?電話じゃないな。
電源抜かれても鳴り止まない電話なんてオカルトじゃん。
でも確かに電話のあたりから音は鳴っています。
はて?何か音が鳴りそうなものが電話機付近にあるに違いない。
いろんなモノが積み重なって溢れているのでひとつひとつ確認してみましたが
わかりません。
隣のおじさん登場
S子さんは、手当たり次第にあちこちに電話をしたらしく
スマホに電話がかかってくる電話に対応しています。
私は、ひとりガサガサガサガサ人様のお宅を荒らしまわっています。
すると、S子さんちの隣の家のご主人が現れました。
私は初対面ですが、吞気に挨拶してる場合じゃありません。
緊急事態です。
このビービー音がまた、焦らせるのです。
隣のご主人もガサガサ始めました。
見ず知らずの他人同士が、同じ目的で他人の家をヤサガシするという
奇妙な状態です。
すると隣のご主人が、これは・・・と
小型の携帯用懐中電灯のようなものを見つけました。
もしやこれ?と思って押したり回したりしてみましたが音が鳴りやみません。
ただの懐中電灯か・・・と、手を離したのですが
私はなんだか気になって、その懐中電灯を拾って、ちょっと振ってみました。
なんということでしょう。
音が鳴りやんだのです。
「これじゃ~ん!」私は得意満面。
「これさ、防犯ブザー付きのやつだよー」
( ̄▽ ̄)/
私は自分の手柄を自慢するように、隣のご主人に懐中電灯を手渡しました。
すると、
なんということでしょう。
また鳴り出したじゃないですか!
えーーーーーーー(;゚Д゚)
隣のご主人は「お前が止めたんだから止めろや」
とでも言いたげな顔して私に返してよこしました。(言ってませんけどね)
いやいやいやいやいや、どうやって止めたかわからんし
焦りまくる私。まくしたてるようなビービー音。あたふたあたふた・・・
見かねた隣のご主人、私から懐中電灯を受け取り、押したり引いたり叩いたり・・・
するとまた、ピタっと音は鳴り止みました。(゚д゚)
防犯ブザー付き携帯ライト
どうやら、原因は懐中電灯についているヒモでした。
ヒモを引くと鳴り、ヒモについているボタンのようなものを押すと鳴りやむ。みたいな。
S子さんは安心してへなへなと座り込んでしまいました。
隣のご主人と私は、お互いの健闘を讃え合うように握手はしませんでしたが
ご挨拶するように笑い合いましたとさ。
めでたし。めでたし。
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